天使の涙。〜2話〜
うそー・・・
葵「・・・・・・」
?「まさかこの子犬あんたが捨てたの?」
え!!
葵「ち、ちがう!あ、あの」
うまくしゃべれない
葵「ひ、昼間見かけてそのカサ立てかけたのだけどやっぱり心配になってー・・・」
?「このカサあんたの?」
葵「う、うん」
?「ごめん、勝手に借りてる」
葵「だ、大丈夫!!」
?「あんたんち犬飼えんの?」
葵「えっあっそれはー・・・ほ本当はダメなんだけど、でもなんとか説得してみようと思って・・・」
?「俺んち大丈夫だよ」
え・・・
葵「か、飼えるの?」
?「うん。正確にはばぁちゃんちだけど同じ市内で近いし」
葵「そっか。よかったぁ」
「よかったら見にいってもいい?」なんて突然言われても困るよね
?「じゃぁ、俺そろそろ行くわあ、カサ借りてっていい?」
葵「じゃあ、こっちのカサと交換!」
?「そっかそりゃあ俺がこんなかわいいカサもってたら変だもんな」
?「ありがとうそれじゃ」
競技場で見たのと同じ笑顔
ーどうしてこんなに胸がいたいのかな
人を好きになるっていたいのー・・・?
あっそれより家に帰んなきゃ!!!!
お父さん「今までどこに行ってたんだ!!」
お母さん「こんなにずぶ濡れになって・・・」
お父さん「いったい、何してた!!」
お母さん「答えなさい!葵」
茜「葵ちゃん?」
葵「ハァハァハァ////////」
ドサッ
お母さん「葵?」
茜「葵ちゃん!!」
お母さん「やだ・・・すごい熱だわ」
お母さん「お父さん!早くベッドに運んであげて!」
お父さん「あ、あぁ」
茜「あ、葵ちゃん・・・」
お母さん「茜!!!!」
お母さん「茜は知ってたんじゃないの・・・!?」
お母さん「葵はみんなと違うのよ!」
お母さん「分かってるでしょう!?茜が止めてくれないとお母さん達じゃどうしようもないこともあるのよ!」
茜「ーーーー・・・っ。ご、ごめんなさい。」
茜「葵ちゃんごめんね・・・」
先生「今日は来月17日に開かれる市の競技会の出場選手を発表します」
先生「100㍍中井」
中井「はい!」
先生「前田」
前田「はい!」
先生「次、100㍍ハードル」
お願い神様・・・どうか名前が呼ばれますように・・・
先生「松川」
松川「はい」
先生「−酒井」
や、やったーーーーー!
先生「酒井ーいないのか?」
茜「あっはい!」
やったーーすごいすごい!
あっ今日早く帰んなきゃ
茜「でね、英語の及川がアメリカで英語が通じなかったとか言ってて」
葵「えー、英語の教師なのに?」
茜「そうなの何回コーヒー頼んでもコーラが出てきたんだって!おかしいでしょ?」
葵「あははっ!ねぇ他には?学校で何かあった?」
茜「実はね!陸上部でねー・・・」
お母さん「ちょっと茜、葵の前で学校の話はやめたら?」
茜「なんで?」
お母さん「だって行きたくても行けない葵がかわいそうでしょう?」
葵「そんなことないよ!!」
茜「−・・・ごめん・・・」
お母さん「それより茜!宿題は?やりなさい!」
茜「はい・・・」
「可哀相」
なんてあたしなら絶対言われたくないし、葵ちゃんだってそうだと思う
だから可哀相だとは思ってない
競技会のこと言えなかった・・・
お母さんにとって、あたしたちは「二人で一人」いつだってあたしは葵ちゃんを守る影の存在。
だけどこれだけは・・・陸上だけはあたしだけのものだから
学校にて・・・
友達A「あれ?茜もう来てたんだ!早いね」
茜「うん!競技会すぐだし」
友達A「おーやる気だねぇー」
茜「えへへタイム計ってもらっていい?」
友達A「もち!おk」
友達A「いくよー」
茜「はーい」
友達A「位置について、よーい・・・スタート!」
次の日・・・
葵「茜?」
茜「なんだ葵ちゃんか」
葵「今日も部活?」
茜「うん!」
葵「日曜日なのにこんなに早いことって今まであったっけ・・・?」
茜「えっ!?あーあうん!中学と高校じゃやっぱり違うんだよーきっと!っておおっと!もう行かねば!葵ちゃんはしっかり寝て早く体調戻すんだよぉーー!いってきまーす!」
葵「?」
あぶないあぶない葵ちゃん意外とするどいからなー
アナウンス「ただ今から競技を開始します。女子100㍍ハードル第5レーン、酒井茜さん・・・。位置について用意スタート!!」
2年A「見事なコケっぷりだったよね」
2年B「1年のくせに調子のってるからだよ」
おわった・・・はぁ
?「やる」
だ、だれ?
茜「あ、ありがと」
?「踏み切りの軸足(じくあし)はいいのに着地の時ちょっと重心が傾いてる」
茜「え?」
?「最後の踏み切りが失敗したのはその前の着地の傾きが原因」
茜「・・・本当?気付かなかった・・・」
?「1度ビデオでも見れば」
茜「うん!わかった!」
このジャージは南高の人?
?「そうだ名前聞くの忘れてた」
茜「えっあっ茜!酒井茜!」
?「俺、小田切晃(おだぎりあきら)
アナウンス「ただ今から男子高跳び・・・」
晃「と、じゃあ俺出番だから」
茜「あっうん!」
茜「が、がんばって!あと、あのアドバイス!ありがとう!」
晃「あいつ、元気だから」
・・・・・あいつ?
あっほっぺた熱い///
葵「茜!」
茜「葵ちゃん!?」
茜「え、な、なにしてんの?家にいなくていいの?」
葵「うん!」
お母さん「茜!」
茜「お父さん・・・お母さん」
葵「ねぇ茜!超かっこよかったよ」
茜「あたし、誰も応援なんか来てくれないと思ってて」
葵「うん」
茜「練習したのにこ、転んじゃって、悔しくて・・・」
葵「でもホントにホントにすっごく素敵だった!」
葵「茜すごい顔してるー」
お母さん「あら、やだ!あははははは」
もう1度会いたい・・・。
あの人に。